
ドゥテルテ政権は警察官の初任給を倍増させて士気を高めた上、徹底した麻薬取締りで治安を劇的に改善、年間フィリピン全土で約1万8000件あった殺人事件を約9000件と激減させた。その後はコロナ渦の外出制限という別要因もあったが、さらに殺人事件は減り続けた。麻薬戦争での犠牲者8000人と「命の足し引き」をしてはならないが、こういうことを西欧人はほとんど知らない。一方、強面に見えるドゥテルテが政策面で実行したことは国民皆保険の導入、公立大学授業料無償化、女性の産休延長など革新的でドゥテルテ批判者にも好評だったものも多かった。詳しくは拙著「ドゥテルテー強権大統領はいかに国を変えたか」をぜひ。(石山 永一郎)